パハールプール仏教僧院遺跡
首都ダッカから北西200kmほどに位置するパハールプール仏教僧院遺跡は、パーラ朝2代ダルマパーラ王により創建された仏教寺院である。パーラ朝において仏教は歴代の王の保護を受けて大いに発展して、また仏教寺院も多数造られたが、このパハールプール仏教僧院もその一つである。
一辺が300mの四方の敷地で、北面中央に入り口を設け、その周囲四面にわたり177の房室を備えている。中庭中央に十字型プランをした塔院が配されている。十字型プランの基壇を階段状に積み重ねて造られており、最上段には高塔があったといわれる。嘗ては基壇の壁面にはテラコッタ浮き彫りの鏡板が3000点近くはめ込まれており、仏教尊像・ヒンドゥー神像のほかに人間や動物の生活も主題とされている。
その他に中庭には小祠堂などの遺構が散在しており、これらの建造物はすべて煉瓦造りである。創建当時は各地から修行僧が集まり教学研究などに励んだといわれるが、仏教自体はそののち次第に勢力を強めてきたヒンドゥー教に押され衰退の色を強め、13世紀にはイスラム勢力の進入により仏教はインドにおいて壊滅状態になった。1925年~1934年に、カルカッタ大学とインド考古局により発掘調査が行われその存在が明らかにされたが、建築・歴史的に貴重な遺跡であるとして、ユネスコの世界文化遺産に登録されている。
